些細なことでストレスになり疲れやすいHSPにとって、職場環境や仕事内容が自分に合うか合わないかはとても神経質になる部分。そこで今回は、一体どういう観点で仕事を選ぶと潰れにくいか考えてみたい。
大前提として
まず前提として考えたいのは、HSPであったとしても、その仕事があなたにとって強く情熱を傾けられるやりがいや意味を感じられるものならば、特にマイナスの部分を気にする必要はないということだ。
例え、長時間うるさい騒音に耐えなければいけないとか、クレームにひたすら対応し続けるとか、一般的に見ればどう考えてもHSPであると潰れやすい仕事であったとしても、問題ない。
HSPは繊細という点においては弱いと言えるが、哲学的になりやすく、自分なりに意味を感じることさえ出来れば強い側面があるからだ。
個人的にも、同じ仕事に関して2つの相反する経験をした。非常にやりがいを感じていた頃は休みなくハードに働いても平気だったが、モチベーションを失った瞬間、その仕事の刺激が強い部分が精神的に刺さるようになり、続けるのが難しくなった。元々、人間関係の複雑な対応が多い仕事で、HSPにとってストレスが多く大変だったのだが、動機がはっきりしていた頃はあまり気にならなかったというわけだ。
BtoBかBtoCか
接客という観点で、BtoBとBtoCを考えてみる。
結論から言うと、基本的にはBtoBの方が顧客から受けるストレスは小さい。取引先も会社であるため、失礼な態度を取らないようにという心理的な規範が働くからだ。自分のイメージが、個人ではなく会社のイメージとして残ってしまうので、いい意味で慎重になりやすい。
しかし、BtoCになると大分事情が変わって来る。もし、あなたが商品開発や経理などではなく、直接顧客に接する職種になる場合は注意が必要だ。少ないながら確実にクレーマーが存在するからだ。
特に、飲食のように「お客様が上」という関係が未だに成り立ってしまうような業界の場合、カスタマーハラスメントの被害に遭ってしまうのはある程度避けられない。中には、値下げ交渉を目的として、クレームをつけられる箇所をわざと探して指摘する客層も残念ながら存在する。
そういうことがあっても全然平気ですよという人は良いのだが、HSPでそう思える人はおそらく少ないだろう。また、BtoCでも、客側が素人で、こちらが何かを教えるような立場であればまだ面倒なことには巻き込まれにくいはずだ。
クレームは「このサービスはこうあるべき」という明確な期待を客側が持っている場合に起きやすい。こうあるべきじゃなかったのにそうじゃなかったと感じてクレームを言うからだ。特に日本人は「こうあるべき」という範囲に収まらない事象に対する許容度がとても低い。
逆に、客にとって未知の分野では「こうあるべき」が無いためクレームへと発展しにくい。初めて飲んだタピオカミルクティが美味しくなければ、店のせいというよりはタピオカが苦手なんだと判断するだろう。
まとめると、BtoCにおいて、衣食住のように誰もが自分の中に「こうあるべき」を持っている業界は要注意だ。
残念ながら、お客様は神様という言葉は、人間を神様ではなく悪魔にすることに一役買ったようだ。
組織かフリーランスか
組織に属するべきかというのも非常に難しい問題だ。これも結論から言ってしまうと、フリーランスとして生きていった方が圧倒的にストレスはないだろう。スキルや方法、時間的精神的余裕があるならば、断然フリーランスをオススメしたい。
ただし、いくら最近フリーランスとしての生き方が少しずつ注目されてきているとはいえ、日本においてまだまだハードルが高いので、組織で生きていくという観点で生き残り戦略を考えてみたい。残念ながら組織に所属した場合のデメリットがHSPにとっては山ほどある。
階層構造が苦手。監視されてると思うとパフォーマンスを発揮しにくい。周りの音が気になって集中できない。周りにイライラしている人がいて落ち着かない…
まだまだいくらでも書けるところだが、一言で言えば心理的安全性をどのくらい保障されるかということがポイントになりそうだ。
企業内の文化を知るということであれば、近年発展してきている口コミサイトを見ることは非常に有用だ。内容が具体的なものが多く、特にマイナスの部分を知る意味では好材料になる。
ただし、事前に職場環境を知るというのは残念ながら限界がある。自分が誰と働くか事前に把握できないからだ。シビアに言えば、その中に1人でも自分にとってマイナスの影響が強い人がいれば終わりだ。また、例えそうでなかったとしても、それが続く保証はどこにもない。
そうなると結論が変わってくる。ここまで考え続けてきて思うのだが、あえて組織の中で働こうとするのならば、マイナスのない環境で働こうというディフェンシブな発想は、上述のように空を切る可能性があるので、前提で述べたように、自分が情熱を持てる分野であったり、やりがいや意義を感じられる仕事に出会っていく方がいいのかもしれない。おもいっきり最初の話に戻ってしまった。
それくらい、企業文化が素晴らしい会社を探すという観点自体が脆弱なものだと思う。なんて生きづらいんだ。
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