HSPにとって譲れない「心理的な領域」の話

パーソナルスペースという概念があります。自分の周りに円が広がっているとして、ここまで近いスペースに入られると不快とか居心地が悪くなるという、人間関係の物理的な距離感における防衛ラインのようなものです。

このパーソナルスペース、もちろん国や性別によって大きな差があり、男性なら女性より比較的広め、経験的には日本人よりアメリカ人が広いなど違いが見られます。

そして今回考えたいのが、物理的な距離という意味ではなく 心理的な距離感という意味でのパーソナルスペースです。例えば、初対面の人からいきなり、恋人はいますかとか既婚ですかとか踏み込んでこられると、明らかに心地よくはないと感じる人が多いでしょう。

マイルームが狭いということ

ここまでは踏み込んで欲しくない、個人として尊重されたいという 心理的な領域を便宜上にここではマイルームと呼びます。そうすると、今回の結論は、日本人はマイルームがとても狭いにも関わらず、HSPのマイルームはとても広いので苦しくなりやすいという内容です。

さて考えてみましょう。
マイルームが狭いということは、個人個人がある程度相手に対して「こうするべき」「こうしなさい」といった相手の選択を誘導することをお互いにそこまで気にしないということになります。自分の部屋が狭いので、自分も他人も干渉し合うスペースが大きいというイメージです。

良い表現をすれば、相手に対してアドバイスしたり教えてあげることを積極的に行う世話好きというという概念が成り立ちます。おもてなしなどのサービスもこれに関連したところがあり、相手のためなら何でもかんでもしてあげようという傾向があると思います。

多くの日本人はマイルームが狭いため、人からの様々なアドバイスや勧めを好意的に受け止め、サービスを細かく受けることを肯定的にとらえる人が多いと私は考えています。

まとめると、マイルームが狭ければ、相手からの自分に対する意見や行動が自分に力を及ぼしても、それをどちらかと言えば気にしないあるいは好意的に捉えやすい。そこまで言われても平気なの?とマイルームが広い私から見ると心配に思うことでも全然平気な人との出会いは、私の世界の見方を大きく変えてくれました。また、そういう人は逆に自分が相手に対しても同じように踏み込んでいくことに抵抗が少ないということになります。

マイルームが広いということ

しかし、私の経験上HSPのマイルームは広い。もちろん、HSP以外にもそういう人はいますし、独創的な尖った才能を持っている人なんかもマイルームが広いように感じています。そうするとどうなるか。

一言で言えば、自分自身の意見や考えを尊重して欲しいので、周りに対しても、個人を尊重し、あまり考えや選択に干渉しないという感覚を持つようになります。自分の部屋も広いから相手の部屋も広い。あんまり相手の部屋の中まで覗いたり影響を及ぼしたくないというイメージです。

こういう人は細かくアドバイスされることや、「こうするべきです」など自分の選択が取りづらくなったり、圧迫感を感じるような行動を取られると不快感を感じ、逆にあなたが自分で決めたらいいなど最終的な判断は任せてもらえる接し方の方が心地よいです。

私はマイスペースが広すぎるタイプで、日本では完全に社会不適合者だと自負しておりますので、具体的にどのような感じになるか少しだけ例をあげます。

先日、とあるホテルの朝食バイキングに行ってトレイを取ろうとしたところ、従業員さんがわざわざそれを取って渡してくれました。特に混んでいたわけでもないのですが、サービス精神でそうしてくれたのだと思います。ただし、この種の行動は私にとっては、それくらい自分でやりたいのに…と極端に言うと子供扱いされているようで、あまり心地よくは感じられないのです。

外国人で日本に来て、サービスが過剰に感じる方がいるのも私と同じような感覚を持っているからだと思います。

また、意外に思われるかもしれませんが、現在行われているラグビーのW杯で他国の国歌を歌うという行動も実は苦手です。日本では国歌に対する愛着がないので難しいですが、国歌とはその国の歴史や誇りが詰まったもの。それを知らない立場で歌うことが敬意に欠いている、その国を尊重していない感覚を覚えてしまうのです。

※もちろんそれで喜ばれている海外の方もいらっしゃいますし、これは私の感覚に過ぎません。善意でおもてなしをされていることも承知ですので、批判しようというつもりはありません。

マイルームの広さが違うという難しさ

問題は、マイルームの広さに差がある2人がコミュニケーションを取る場合、マイルームが狭い側は特に大きな害はないのですが、マイルームが広い側は一方的に踏み込まれてダメージを受ける可能性があることです。

共用スペースが広いと思っている側からすればトラブルはなくとも、共用スペースが狭く、相手が共用スペースだと思ってるのは実は自分の部屋の一部なんですけど…となる側にとっては大変です。

さらに、マイルームが広い人が一方的にダメージを受けやすいという現象が意味するところは、マイルームが狭い人がマイルームが広い人を理解するのが難しいということなんですね。実害がないのでピンとこないからです。

そういう意味で、HSPをはじめマイルームが広いと思っている方は、同じくマイルームが広い人を大切にすると共に、マイルームが狭い方がこの国ではマジョリティだということを認識していく必要があると思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

IQ155オーバーだが、自信があるのはEQ(心の知能指数)の方で、繊細な感受性の持ち主。 大学時代に週末はあらゆる大学生と人生を語り合うことに費やした結果、人を見下していた尖り切った人生から、人の感情を共感し理解する相談役の人生へとコペルニクス的転回を果たす。 これからの時代は感情の時代になると確信しており、感情のあり方が幸せに直結するとの考えから、複雑な感情の流れを論理的に整理することに挑戦している。 モットーは Make the invisible visible