カウンセリングの経験を積むまでは考えもしなかったほどに、1番先に生まれた人と1番最後に生まれた人は差があるなぁと感じています。
もちろん、どちらが良い悪いという話ではありませんが、特徴がある程度強く出るというのはとても興味深い。
というわけで、今回は長男長女(兄弟の中で1番先に生まれた人)の傾向とそういう人たちがどうしたらもっと幸せになれるかを考えてみます。
長男長女の強み
私が、長男長女の傾向として素晴らしいと感じるのは、責任感の強さです。
主体的にリーダーに立候補して周りを引っ張る場面から、誰にとっても面倒な尻拭いや後始末をしたりする場面、誰も責任を持とうとしない時においても、最終的に頑張るのが長男長女の傾向。
人の前に立ちたい立ちたくないは別として、集団の中で無責任に振る舞えず、誰かがやらなければならないことをテキトーに放っておけない感覚を持っている人が多いように思います。
その原因について私が感じるのは、家庭内の教育です。最初の子供というのは比較的厳しく躾けをされ、弟妹たちができたらその面倒を見るお兄ちゃんお姉ちゃんとしての責任を強調されるため、集団において責任を持つ感覚を養う機会が多いのかなというイメージです。
実際に、何かのプロジェクトを一緒にやるとなると、責任を持って動いてくれるだけでなく、メンバーの様子にまで気を遣ってくれる彼らはとても頼り甲斐があります。
また、傾向は似ていても男女差があると感じており、女性の方がより年上としての責任感が強く出るように見えます。
私なりに理由を考えるならば、女の子の方が男の子に比べ、より親の期待や感情に敏感であり、かつその影響を強く受けるからではないでしょうか。男の子の方が良くも悪くも勝手気ままに行動できます。
長男長女の弱み
逆に、長男長女として直面しやすい短所は、愛情を受けるのが苦手になりやすいこと。
わかりやすく言うと、弱音を吐けない、甘えられない、我慢しやすい、わがままが言えない。責任感があることは素晴らしいのですが、それが裏目に出てしまうとこうなってしまいます。
これも育つ環境の影響が大きいでしょう。1番上の子というのは、年下がいる前で弱い姿を見せるのに抵抗がありますし、自分が何か間違ったら下の子にも影響が及ぶと潜在的に感じやすい。
「お兄(お姉)ちゃんなんだから」という言葉は、とにかく自分が甘えてはいけない、しっかりしなくてはならないという意識を強くし、手のかかる弟妹に親の愛情がより注がれる寂しさをも我慢しなければいけないと思い込むきっかけになります。
親としては長男長女を愛していても、下の子がいる場合、上の子を逆に頼りにしながら家庭を回していくような感覚にもなりやすく、その余波を受ける子が多いです。
また、あまりにもお兄ちゃんお姉ちゃんとして頑張ることを親から期待されすぎると、「自分は頑張らないと愛されない」という感覚を抱きやすく、そうなると、成長に必要な無条件の愛情を感じるのがとても苦手になってしまいます。
つまり、頑張らなければ愛されない。等身大のありのままの自分は愛されない。という感覚で、多くの子たちがこの感覚を持っているのを見てきました。
これも責任感と同様、長男よりも長女にとってより顕著に現れるように見えます。
その上で思うこと
兄弟の中で1番年上で、このような傾向に当てはまるという方に私の意見を述べます。
実は、仕事の面ではこの長男長女感覚は重宝されやすいと考えています。なぜなら、責任感があって甘えないという特性が、仕事で求められる人間性にとてもマッチしているからです。
これから多様性の中で、ちゃんと弱音が吐ける人材を重要視する企業が出てくるという可能性は充分にあるとしても、現段階では仕事人としての適性が高いと言えるはずです。
しかし、愛情を受けるのが苦手というのは特にプライベートでの人間関係ではネガティブに影響する傾向があります。特に恋愛や結婚および家庭生活です。
なぜなら、仕事が甘えない人材を評価するのに対し、恋愛や結婚では弱みを互いに出し合いながら補い合っていく方が信頼関係が築きやすいからです。
男女の関係では、お互いの弱いところを見せて相談し合うことが、強い結びつきにつながります。恋愛では距離感にもよるでしょうが、結婚となると特にそうなると思います。
相手が弱いところを見せてくれない場合、パートナーからすると自分が必要ないのではないかという気持ちにどうしてもなりやすい。
また、相手に甘えられるかどうかというのが男性から見た場合の女性の魅力に関わってくる部分があるだろうというのが個人的な意見です。
そういった意味で、長所は長所で活かしつつ、愛情を受ける練習をして幸せになって欲しいと勝手ながら思っています。私の周りには、責任感があって良い人なのに、愛情を受けるのが苦手な長男長女が多すぎました。
コメントを残す