忘れられないエピソードがあります。とてもお世話になった上司のことです。教育熱心で厳しい方だったので、私は何度も叱られたのですが、大切な部分に気づくきっかけを多く与えていただいた方でした。
ある時、その上司と小学生の娘さんの会話を聞くことがありました。理想の結婚相手の話をしながら、将来良い人見つけたいという娘さんに対して、上司が放った一言は「あなたが良い人になりなさい」でした。
なるほどなぁと考えさせられたものですが、今改めてそれが重要だと思っていますので、考えをまとめてみたいと思います。
似たもの同士が集まる
たくさんの人と一対一で語り合ってきて思うのは、これまで何度も触れてきたように人は違うということ。そしてもう一つ、不思議だなーと思うのは、人は特に意識しなければ似たもの同士が集まっていくということです。
小さい頃のことを考えてみれば、家が近いとか、同じアニメやゲームが好きだとか、些細な共通項から友達になってそのまま一緒に遊んだりします。やがて、そういうわかりやすい共通項から、性格や価値観など内面における共通項を拾いながら人は人間関係を維持していくのだろうなとつくづく感じます。
そう強く感じたきっかけは大学時代です。大学時代に近くの大学の学生と接するようになって衝撃を受けました。それは、自分の大学との特色の差が大きければ大きいほど、そこにいる学生の雰囲気や価値観などが何から何まで全く違うことでした。
その時思ったのは、人間は驚くほど自分と同じような香りのする集団に属すのだということ。高校からが特にそうで、若いにも関わらず同じ雰囲気の人たちで固められてしまう。中学受験組ならもっと早いでしょう。
20歳くらいになって、大人として自立し始めた頃には、性格や価値観の合わない人と無理に仲良くなろうとはもはや思わない人がほとんどでしょう。もう無意識にそうなっているのが自然です。
そうなると、精神的に自分と同じレベルや段階の人と接し続けてしまうという現象が往往にして起こります。その方が心地良いし、楽だからです。
自分が理想に近づく
さて、本題に戻ります。
そう考えた時に、素晴らしい友人や素敵なパートナーに出会うにはどうしたら良いのでしょうか。もちろん外面的な部分は必要かもしれませんが、内面的な部分で言うならば、私から見て「本当に素晴らしい人だ」「こういう人に出会いたい」と思えるような人に自分がなることが重要なのだろうなと思います。
なぜなら、自分が理想とする人が気が合うのは、やはり同じような性質や価値観を備えている人だと考えられるからです。
もちろん性格が違ったり、考え方が違うのは当たり前なのですが、ここで言いたいのはもう少し根っこの部分です。深い部分で共有できる信条、倫理的な価値観や感覚というニュアンスでしょうか。内面における美的感覚ということもできるかもしれません。
例えば、あなたにとって一番大切なものはなんでしょうかとか、友人としてどういう関係を築きたいですかとか、理想の夫婦としてのイメージは何ですかとか、こういった問いに対する答えになってくるような部分と言えばもう少し伝わりやすいでしょうか。
自分が良い人に成長しただけ、結果として良い人が自分の周りに集まってくる。もちろん人として成長するというのは簡単ではないですし、いつも周りの環境や人のせいにしやすいのが人間でもありますが、自戒の念も込めつつ考えをまとめておきます。
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