自分の人生を自分で決めなければどこかで誰かを恨むという現象

よくある質問

(こういう状況なんですが)どうしたらいいと思いますか?」とよく相談されるのですが、私の場合、「こうしたらいいよ」とすぐに返事することはほとんどありません。

理由は大きく分けて2つ。

1つは、その状況に関してこちらから山ほど質問しなければ細かいシチュエーションが分からず、それなしに即答するのは相手の事情に寄り添っていないと感じるから。

もう1つは、こちらが一緒に考えることはできても、最終的には相手に決断してもらわなければ、相手の成長にならないどころが場合によっては恨みになってしまうからです。

自分で決めないと誰かのせいにする

後者の理由に関して掘り下げますが、自分の人生を自分で選択しなかったが故に、誰かのせいにせざるを得ず、恨んでいる人と多く話をしてきました。

その人たちの多くは、もともと真面目でいい子と呼ばれていて、親や先生、周囲の「こうなりなさい」という方向そのままに進んでいました。純粋なのでそれが正しいと信じているし、自分で考えずに依存していればいいので楽だと考える人もいます。ところが、時期はバラバラですがどこかで壁にぶち当たります。

そうなると、もともと自分に動機がなく、自分の選択ではなかったことから、自分をそのように仕向けた人や環境を恨むようになります。とても皮肉な話ですが、何人も見てきました。

そしてそういう現象は、中高生などの若い時期に起きるのではなく、自分を客観視できる大学生や大人になってから起きることが多いのではないかと感じています。

自分の選択に責任を持ってもらうという愛情

そういう経験もあり、誰かから相談を受けた場合は、まず事情や気持ちを共有、共感することに力を注ぎますが、そのあとは一緒に考えることはあっても、その人がその選択肢に自分で納得しているのか、自分で決断できるのかという方向に寄り添っていくということを大切にしています。

相談されることに慣れてくると、「これはこのパターンだなぁ」とか「そうするとうまくいかないだろうなぁ」とか、パターン分析的な処理能力は確かに上がるし、それで対応するのは楽ではあるのですが、簡単に答えを与えて行わせるってとても無責任に感じるんですよね。

それは、その人が考える余白を奪うという意味で、その人の成長に繋がらないというのが一点あります。そして何よりも、断定的な指示をした場合には、その人の人生をこちらが決めるわけですから、長期的な責任を持つ必要があるように思うのですが、大抵の場合そんな大きな責任は持てないからです。

助言プロセス

ティール組織という既存のピラミッド型の組織に変わるフラットな新しい組織形態が話題を呼んでいますが、その意思決定の方式に「助言プロセス」と呼ばれるものがあります。簡単に言うと、意思決定は権力者ではなく、自分で自由に行えるものの、その判断の関係者や専門化に助言を求める必要があるというもの。

これは個々人の責任や自由を尊重した非常に画期的なプロセスだと思うのですが、実はこのプロセス、会社組織に限ったものでもなければ、完全に新しいものでもありません。

話していて、思考の次元が深く、この人頭がいい(≠学力、IQが高い)と感銘を受けるような人に育った環境を聞くと、家庭で助言プロセスに近いものを通過していることがしばしば見られます。

親はアドバイスをくれることはあるものの、決して強制せず、最終的にはあなたが考えて決めなさいというプロセスを大切にしている家庭教育です。そうすると、その子は自分で考えることを大切にし、自分で成功したり失敗したりしながら学び成長していきます。

人間は失敗した時に、自分のせいではないと簡単に責任転嫁したり自己正当化しますが、本当に成長するのは物事に自分で責任を持った時であるのは子供でも大人でも変わらない。そう考えると、この教育方法は自律的な成長を早く促す仕組みと言えると思います。

例えば勉強に関して言うならば、この手の家庭教育は勉強しなさいなどの強制力を伴うような指導は行われず、学ぶ楽しさや異議を工夫して伝えながら最終的には本人に任せます。そうして勉強するようになると、本人が自分でやっているのですから、やらされた感のような後で恨みっぽくなる要素がありません。

この種のやり方は世界中にあらゆる分野で才能溢れる人物がを輩出しているユダヤ人の家庭教育に近いですが今回はそこに関しては割愛します。

日本でも、自分で考える人が増えるとともに、自分で考えさせようとする大人たちが増えていくことを期待しています。自分で責任を取るのであれば、何度失敗しても成長のための良い経験になるのですから。

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ABOUTこの記事をかいた人

IQ155オーバーだが、自信があるのはEQ(心の知能指数)の方で、繊細な感受性の持ち主。 大学時代に週末はあらゆる大学生と人生を語り合うことに費やした結果、人を見下していた尖り切った人生から、人の感情を共感し理解する相談役の人生へとコペルニクス的転回を果たす。 これからの時代は感情の時代になると確信しており、感情のあり方が幸せに直結するとの考えから、複雑な感情の流れを論理的に整理することに挑戦している。 モットーは Make the invisible visible