ブログ1周年を迎えて

7月30日で、ブログを始めてちょうど1年になります。

普段は「人間の感情」について、日頃感じたることをテキトーにまとめている私ですが、今日はせっかくの節目なので、この一年でどういう思考の変遷を辿ってきたのかを書いてみたいと思います。

ブログの方向性

実はブログを始める最初の段階で、方向性をどうするか悩みました。

1つはGoogleのSEOを思いっきり意識して「〜するための3つの方法」とか「〜するべき5つの理由」のような、とてもわかりやすく目を惹きやすい記事を書くという方向性。

このやり方の最大のメリットは、タイトルが分かりやすく、内容も自分に必要か否かが判断しやすいため、アクセス数が伸びやすい。とにかく見てもらうならばこの方向性が最適だと思いました。

しかし、この種の方法は言い換えるならばジャンクフード的であり、誰でも簡単に書ける上に、答えを一方的に与えるが故に、読者に対して問いを投げかけるような深みや余白があまりないのです。

シェフのこだわりが存分に発揮されたレストランのように「この具材はいったいなんなのだろう?」とか「どういう味付けをすればこうなるのだろう?」というように、自分の想像力を掻き立てられるようなことにはなりません。とても無難なのです。

ドストエフスキーの『罪と罰』を初めて読んだ時のことを今でも覚えています。高利貸しのような社会悪は罰されて然るべきだと殺してしまい、自分に罪はないと良心の呵責を否定していた主人公が、家族の生活のために仕方なく売春をしながらも、自分は醜い罪人だと深く自覚している女性との出会いで心が揺らいでいく物語。

正解や正論という次元を超えて、自分に深く問いかけれられ、突きつけられるあの感じが忘れられないのです。それならば不足ながらそういう文章に挑戦してみようかと思いました。

しかし、大衆が多くの場合求めているのはジャンクフードなのです。ジャンクフードほど多くの人に食べられるお店はありません。分かりやすく、手軽なあの感じの方が好まれます。私も別にジャンクフードが嫌いなわけではなりません。

そこで、私は決めました。

最初はジャンクフード的な記事の割合もある程度入れながら、徐々に自分のこだわりの入った記事を多く入れていく、そういう方向性です。

こだわりの行方

1年経ってどうなったかというと、アクセス自体はジャンクフード的な記事の方がかなり多いです。これは少し寂しい気もしますが想定通り。自分のこだわりに対する表現力がまだ乏しいせいでもあるでしょう。

しかし、こだわりを持って書いている記事が刺さるという現象も多少起こっていて、それに関してはただただ嬉しいばかりです。そこにはこれからも力を入れていこうと思っています。

ちなみに、私のこだわりが存分に入っている記事にはある程度の傾向があります。必ずしも当てはまるわけではないのですが、

・文章が長め
・結論が明確に1つじゃない(問い分けるような文章になっている)
・トップページのおすすめの中に入っている

もし関心のある変わった方がいらっしゃったら探してみると味わい方が変わるかもしれません。

今後も、こだわりのカラーが強い記事が多くなっていく予定です。

感情という不思議な分野

ブログでどういう分野のことを書くかという場合、普通は分かりやすくニーズがある分野を選ぶと思います。

お金・転職(就職)・副業・美容・健康・食事・結婚・各種エンタメなどはとても分かりやすくニーズのある分野です。それは私も重々承知です。

しかし、私は上のどの分野よりも、人間の幸せに直結しているのは「感情」だと考えています。お金があっても、絶世の美女でも、幸せだと思っていない人は多くいます。しかし、不思議なもので、感情という分野はそこまで注目されません。

『サピエンス全史 –文明の構造と人類の幸福』の大ヒットで世界的に有名になった、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリの新著『21 Lessons –21世紀の人類のための21の思考』より本文を引用してみましょう。(1)

あいにく私たちは、現時点では人間の意識の研究開発は、ほとんど行っていない。私たちは、意識ある生き物としての、自分の長期的な必要ではなく、主に経済制度や政治制度の目先の必要に即して、人間のさまざまな能力の研究開発を行っている。私の上司は、できる限り迅速に電子メールに返信することを望んでいるが、私が食べているものをじっくり味わい、堪能する能力にはほとんど関心がない。その結果、私は食事中にさえメールをチェックするし、それとともに、自分自身の感覚に注意を払う能力を失っていく。経済制度は私に、投資ポートフォリオを拡大し、多様化するように圧力をかけるが、思いやりを拡大し、多様化するように促す動機は全く与えてくれない。だから私は、株式市場の神秘を理解しようと奮闘するものの、苦しみの深い原因を理解するための努力をほとんどしない。

人間の感情というのは、コンピューターのように0と1ですべてを表せるほどに単純では全くありませんが、物質に満たされたにも関わらず幸せになるのが難しいと感じている現代人がこれから注目する分野だと考えています。

これからも、アクセス数以上に深みのある記事を書いていくつもりです。ご関心のある方は、どうかこれからもお付き合いください。

21 Lessons 21世紀の人類のための21の思考 Kindle版

参考・引用
(1)ユヴァル・ノア・ハラリ『21 Lessons –21世紀の人類のための21の思考』河出書房新社、2019年

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ABOUTこの記事をかいた人

IQ155オーバーだが、自信があるのはEQ(心の知能指数)の方で、繊細な感受性の持ち主。 大学時代に週末はあらゆる大学生と人生を語り合うことに費やした結果、人を見下していた尖り切った人生から、人の感情を共感し理解する相談役の人生へとコペルニクス的転回を果たす。 これからの時代は感情の時代になると確信しており、感情のあり方が幸せに直結するとの考えから、複雑な感情の流れを論理的に整理することに挑戦している。 モットーは Make the invisible visible 詳しい自己紹介はこちら